法螺貝と尺八
今さらですが、集英社の季刊誌『kotoba』2014年夏号に、拙著『吉祥寺の百日恋』の書評が出ているそうです(評者は石原千秋さん)。
6月6日に発売されていたのに、全然知らなかった……(情報感度低っ!)
石原氏、書評で登場人物の名前の由来を考察して下さっています。
一緒に紹介されていたのは、柳美里『JR上野駅公園口』でした。
ところで上野というのは私にとって、学生時代に放浪していた場所の一つです。本当は東京芸大に行きたかったので、上野とか谷中の辺りを無意味にウロチョロしてました。そんなある日、道に迷って帰れなくなり……
自転車で谷中の町をグルグルさまよっていると、古民家風の軒先に、山伏の持ってるような法螺貝と尺八が置いてありました。
死ぬほど気になりましたが、何しろ道に迷ってる最中でそれどころじゃねーと思ったので、通り過ぎました。
しかし、しばらく行った辺りで……
やっぱり気になったので、道端に自転車を停めて引き返しました。
さっきの法螺貝と尺八の店に戻ります。「あのー」と呼ぶと、奥からイケメンのお兄さんが出てきました。
音楽家で、この尺八の持ち主だそうです。
法螺貝主の方は、どっかへ行ってしまったそうです。
(参考: こちら↑は尺八奏者の藤原道山さんですが、実際こんな感じのイケメン)
軒先で尺八演奏を披露して下さいました。
ちょっとだけ吹かせて頂き、「なかなか筋がよろしい」と褒められていい気になります。
大満足で戻ると、「あんた! ウチの前に自転車を置かないでよ!」と住民のおばちゃんに怒られる。
謝る。ついでに道を聞く。
おかげで無事、帰り道が分かったのでした。
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