「ルッキオとフリフリ」 絵本とサラダ
庄野ナホコ作、絵本「ルッキオとフリフリ おおきなスイカ」
(講談社、2014年6月刊)
大好物の魚を買うため、畑で採れたスイカを売ろうとする、二匹の猫のお話。
ルッキオとフリフリのふたりは無事、おいしいばんごはんにありつくことができるのでしょうか……!?
作者・庄野さんの描く猫の世界は、可愛らしさの中にも、どこかシュールな感じ、それに、静かなユーモアとペーソスが漂っています。
暮らし向きは豊かではない野良猫だけれど、したたかで、庶民的で、ちょっと間抜けなところもありながら、毎日を生きているルッキオとフリフリ。
この飄々とした哀愁は、子供にとっては不思議な雰囲気と感じられ、大人にとっては心にグッとくるに違いありません。読み手の年代によって、様々なとらえ方ができる絵本だと思います。
また、この絵本には、猫だけでなく人間や犬、鳥なども出てくるのですが、驚くほど猫中心的な世界観であり、わたくし個人的には、とても共感が持てます。
さて、読了後に、おそらく多くの人が本能的に思うことは、
スイカとタコが食べたい!!
なのではないでしょうか?
ええ、そうなのです……。無性に食べたくなってくるのです……。
なぜならこの絵本は、食べ物の描写が反則級に美味しそうだから……。
そこで(?)、スイカとタコを使った、夏らしいサラダのレシピを考えてみました。
ギリシャ風「ルッキオとフリフリ」のサラダです。
【材料】(二人分)
[サラダ本体]
・スイカ …1片 (16分の1切れ程度)
・キュウリ …1本
・タコ(生食用のもの) …1ブロック
・フェタチーズ(またはモッツァレラチーズ) …少々
・黒オリーブ …少々
[ドレッシング]
・オリーブオイル、ワインビネガー(またはレモン)、塩、コショウ …適量
分量は大雑把ですので、各自のお好みで調整して下さい。
【作り方】
- スイカの種を除きながら、くり抜きスプーンで一口大の球形にくり抜きます。くり抜きスプーンがなければ、計量スプーンで代用可。もしくは、くり抜かずに適当な大きさに切っても。
- キュウリの皮を等間隔に剥き、縞模様をつけます。その後、乱切りにします。
- タコは、食べやすい大きさにブツ切りにします。
- フェタチーズは、小さく賽の目切りにします。
- 黒オリーブは、薄切りにします。
- 1~5までをバランスよく盛り付け、オリーブオイルとワインビネガーのドレッシングをかけて、できあがり。
【ポイント】
タコを使うサラダといえば、ギリシャの田舎風サラダ(ホリアティキサラタ)なので、ギリシャ風の食材・味付けにしてみました。
イメージとしてはこういう、「地中海万歳!」みたいな感じですね↓↓
フェタチーズがアクセントになっています。
これは、羊または山羊の乳から作られたギリシャのチーズ。
独特の臭みと強い塩味があるため、好き嫌いが分かれると思います。
(身も蓋もないことを言うと、一般的にはあまり日本人好みの味ではないかも。
なお、見た目はどう見ても、木綿豆腐です)
フェタを使う場合は、ドレッシングの塩味は薄目にするのがよいでしょう。
代用品としては、モッツァレラチーズでしょうか。
さらに、チーズ自体を使いたくないという場合は……木綿豆腐でしょうかねえ。
とにかく見た目だけは、生き別れの双子なみにソックリなんです……。
――と、少々余計なことを申し上げましたが、「ルッキオとフリフリ」のサラダ、いかがでしょうか。
絵本のような夏気分を味わって頂ければ、さいわいです。
(余談)
ところで、小説や絵画ではよく「人物描写」と言いますが、猫の場合はどうなるのでしょうか?
猫描写(ねこびょうしゃ)? ←読みにくい
中学時代の国語の授業で、「描写」の読みが分からなくて「ねこしゃ」と読んだ同級生がいたんですけど、あれは笑った……。
« コリンキー、三角形のひみつはね(←古) | トップページ | 短編「かなたの音」 »
「たべもの」カテゴリの記事
- 谷崎潤一郎 美味礼讃フルコース(2015.05.10)
- 「ルッキオとフリフリ」 絵本とサラダ(2014.07.01)
- 薔薇園のランチ(2014.05.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント