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2014年5月 6日 (火)

非文の不思議

今日は必要があって、非文(ひぶん)の文例探しをしていました。
非文とは、文法が誤っており、正しい文章として成立しない文のこと。
例えば、「*昔むかしあるところに、おじいさんはいました」などです。
(↑このように、非文の先頭には*を付ける)

非文ばかりを眺めていると、何だか妙な気分になります。
結構シュールで、頭がくらくらしてくるんですよね。
庵功雄『新しい日本語学入門』から、いい具合に壊れた非文をいくつか引用してみます。

*「私は1967年に生まれなかった」
う~ん……シュール。

*「うっかりコップを割れ」
無茶言わんで下さい。

*「太郎はキャベツを食事する」
この場合、太郎がウサギにしか思えないのは、私だけでしょうか。

*「まもなく窓の外に変な男がいる」
窓の内側にも、変な人がいる気がしますが……。

*「太郎がワイルズによってフェルマーの定理を証明された」
ワイルズやフェルマーはともかく、太郎には「お前は結局何をしたんだ?」と問い詰めたい。

*「彼は頭がいい可能性があるが、性格はよくない」
……これ、非文じゃないよね? こういう奴、実際にいるよね?

*「月末になったら給料が入るのに借金を返そう」
こういう、金にだらしのないダメ人間も、実際いると思うんだ。「のに」の使い方で、こいつのクズっぷりを確信した。

*「お金がなくなるといつでもうちに来なさい」
さっきのダメ人間を甘やかしてる、親の台詞か?

*「告(こく)ったが、告れなかった」
あるある! 「本当に分からないの? 君を愛している人が、いま、こんなに君のすぐ傍にいるのに……!」って叫びながら、全速力で逃げるとかな。

*「まもなくここは静かな町だ」
なんだか、全てが終わってしまうような、物哀しい予感がします……。詩的です。

というわけで、ナイスな非文の紹介は以上です。
非文って、意識して作ろうとするのは難しいと思います。
幼い子どもの発話なんかで、ポロッと出てくるものなんじゃないかな。

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