« ゆるキャラのいる出版社 | トップページ | 『暖流』ブログ、はじめました »

2014年4月12日 (土)

中学生のとき、落語大賞に応募した話

落語が好きだった、中学時代の私。
「公募ガイド」誌を見て、「桂文珍の新作落語大賞」の存在を知り、自分でもひとつ書いてみようという気になる。
内容は……ええと、当時の原稿を(意図的に)紛失してしまったため、本人もうろ覚えなのですが、多分こんな感じの話です。

 ―大学へ入学したばかりの若者・熊さん(仮名)は、ブラスバンドに興味を持ち、「スイソウガク部」の部室のドアを叩く。
中には2年生の八っつあん(仮)がいたが、なんと、部員は彼一人だけとのこと。
たった一人でどうやってブラスバンドを? と疑問に思う熊さんであったが、そこはあまり深く考えないことにして、即入部。
だが、「吹奏楽部」だと思い込んで入ったのは、実はケッタイな「水槽学部」だったのだ。
かくして、熊さんと先輩八っつあんとの、まるで噛み合わない、ちぐはぐな会話が炸裂する―

何じゃ、そりゃ(苦笑)。

これは果たして、落語なのか…? 
東京の大学という設定で、二人はべらんめえ調で話していたと思うのですが、まともに「落語」の体裁を取っていたのかどうやら。
っていうかそもそも、文珍師匠が審査員をやってる賞で、江戸落語風のを投稿するってどうなのよ?

執筆に使用したのは、NEC社の「文豪」という、偉そうな名前のワープロであります。
原稿を出力する際、市販の原稿用紙のマス目にうまく文字が収まるよう、印刷したのだが、後にこれは、応募原稿の常識として、「読みにくいので絶対にやめましょう」と言われていることを知り、愕然とする。
しかも、ページ数(ノンブル)は振ってないわ、綴じもしないで、B4用紙の真ん中を折り曲げただけ…。

ああ、よくあんな非常識な、穴だらけの原稿を受理してもらえたものだと思う。事務局の人には、さぞご迷惑をお掛けしたことでしょう。
で、その後何の連絡もなく、当然落選したものだと思い、応募の件など全く忘れていたところ…。

*

翌・1998年の夏になって、ある日突然、地元の新聞社から連絡が入った。
岡崎ホームニュースという、中日新聞の関連会社が運営しているミニコミ誌だ。

「お宅の中学生のお嬢さんが、落語大賞で佳作を取ったそうですね。取材をしたいのですが」

え、佳作? そんなの初耳なんだけど、いったい何の話??
私も家族もかなり混乱してしまったのだが、記者の説明から判明したことをまとめると、次のような経緯である。

「桂文珍の新作落語大賞」というのは、そもそも潮出版社が主催している賞であり(当時の私はそんなことはまるで知らず、公募ガイドだけ見て応募したのだが)、第6回の選考結果は、「潮」誌の1998年8月号に掲載されたらしい。
応募総数は97編。受賞作は、大上ミツ子「朝ご飯食べた?」であったが、その他4編の佳作があり、私の作品も選ばれていた。(が、本人は全く気づいていなかった)

さて、その記事を読んだ「潮」読者の中に、愛知県岡崎市在住のある老婦人がいた。
婦人は、「新入部員」の作者が、岡崎市の中学生であることに、興味を惹かれたらしい。
そこで、市内の新聞社に電話を掛け、「市内の中学生で、新作落語で賞を取った女の子がいる。作品の内容や、彼女がどんな子なのか興味があるので、是非探し出して取材してもらえないか」と記者にリクエストしたのだとか。

で、どうやって我が家の連絡先が判明したのか謎なのだが(多分、潮出版に問い合わせたんだろうな。当時は今と違って、個人情報の保護が喧しく言われることもない、ゆる~い時代だったからね)、ともかくも、中日新聞の記者から我が家へ電話が掛かってきた。というわけ。
家族には応募のことは一切話していなかったので、最初に対応した母は訳が分からず、頭の中が?マークだらけだったという。(あとで、かなり怒られた)

それで、記者が自宅へ来ることになり、応募の動機や、作品の内容、好きな落語などについて話したのだが、「水槽学部」のあらすじを説明し始めると、すごく怪訝な顔をされた。
というか、「水槽学」の意味が、よく分からなかったらしい。いや、本当に、すみません……。

最終的には、その困惑ぶり(?)を表すかのように、
「吹奏楽部が、"水槽学部"?!」
という見出しで、インタビューは記事になりました。めでたしめでたし。

今から、16年ほど前のお話でした。

« ゆるキャラのいる出版社 | トップページ | 『暖流』ブログ、はじめました »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/596942/59455913

この記事へのトラックバック一覧です: 中学生のとき、落語大賞に応募した話:

« ゆるキャラのいる出版社 | トップページ | 『暖流』ブログ、はじめました »

フォト

ブログ管理人

  • 坂本葵 | Aoi SAKAMOTO

リンク

最近のトラックバック

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

アマゾン