芝生の上の朗読会
東京ミッドタウンの芝生広場にて、朗読会が3日連続で開催されています。
本日の回(歌人の枡野浩一さん・加藤千恵さん)に行ってきました。
(詳細は以下「本の雑誌」の記事を)
http://bookstand.webdoku.jp/news/2014/04/27/063500.html
「公園で朗読」というのは、一見、古典的でありふれた発想のように思えます。
例えば、街頭演説、辻説法、野外ライブ、大道芸……。
さて、この種の催しでは、上演中に自然と人だかりができるもの。
ところが今回の朗読会では、その点がかなり違う。
というのも、ミッドタウンの芝公園に来ているお客は、大抵がシート持参で、ピクニックを楽しんでいる人たちなのですね。
だから、いくら面白そうな朗読が始まろうと、「ホーム」であるシートから動こうとしません(笑)。
でも、わざわざ動かなくったって、朗読はスピーカーから聞こえてくる。
そういうわけで、シートの上でお弁当を食べたり、お喋りをしたり、昼寝をし「ながら」、聞いている人がほとんど。
「聴衆」とそうでない人との境界は、きわめて曖昧でした。
このゆるやかさは、街頭演説や野外ライブにおける、局所的な熱狂や、ある種の一体感とは対極にあるように思われます。
朗読会風景は、こんな感じです。
いい意味で、ゆるやかな雰囲気が伝わる1枚を選んでみました。
歌人の枡野さんが朗読した中に、古泉智浩『夕焼け集団リンチ』のあとがきが。
「40過ぎて不妊治療を始めたが、精子の数が少なくてうまくいかず」という、暗く生々しい内容。
親子連れの多いのどかな公園の真ん中で、堂々と……。
この辺りも、凡庸な野外イベントとは一線を画していましたね。
これが、まさに、その写真です。
枡野さんが、『夕焼け集団リンチ』(古泉智浩)のあとがきを朗読中に、小さな女の子がふらふら~と現れたところ。
(このおじちゃん、なにしてるのかなあ?)
※このあと、女の子はお母さんに呼び戻されました。
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