P-BC吉祥寺店: アートと猫
前回に引き続き、吉祥寺パルコ内の書店、P-BCの紹介。
今回は、<アート>と<猫>の視点から。
私が初めてリブロ系の書店へ入ったのは、中学時代の修学旅行で東京に来たときのことで、渋谷のパルコ地下でした。P-BCも洋書専門のロゴスも、田舎の中学生にはくらくらするような、洗練空間でしたね。リウスのチェ・ゲバラ漫画(原題:「ABChe」)などを買ったせいで、その日はお昼ごはんにも事欠きました(笑)
まあ、それはともかく、本日吉祥寺P-BCで購入したのは、ヒグチユウコさんの初画集です!
帯にある通り、ダークファンタジー系の作風で、前から気になっていました。
例えば、ワンピース姿の猫の幼女に、「どじょう飼ってもいい?」と金魚が尋ねている絵、とか(※この金魚は、二足歩行です)。
そういう動物系不条理の力で、ヒグチ猫やヒグチうさぎが、ヒトの心を鷲掴みにします。
さて巻末に、「作品のできるまで」という25段階の作画風景が、説明・写真つきで載っているんですけど、これがある意味で一番の驚愕でした。
何しろ……ペン画なのに、下絵がない!!
緻密で繊細なペン画なので、さぞ慎重に構想を練ってから、下書きも念入りにかと思いきや、下絵のプロセスはほとんどなし。和紙(←この素材も意外なんですが)に、鉛筆で簡単なアタリをつけただけで、即ペン入れに突入。というか、いきなり猫の瞳から、細部をバッチリ描いていきます。
(※美術学校でこれをやると、真っ先に先生から注意されます。ただし、天才を除く)
ペンだけで描き進めつつ、本能の赴くままに、謎のキノコや魚などの異生物を付け足したり、背景を描き足したり、というスタイルのようですね。※美術学校でこれを(以下略)
何と言いますか、例の有名な「ボブの絵画教室」を思い出してしまいました。
ボブ「ね、簡単でしょう?」
ちなみに私、NHK-BSでの「ボブの絵画教室」を、子供の頃リアルタイムに観ていた世代でございます。「おや? この木、一人で寂しそうですね~。隣にお友達を増やしてあげましょう♪」と言う数秒の間に、リアルな木や湖や山が、あれよあれよと増殖してゆく、あの魔法使いのボブさんです。
これがその、問題のページ(?)です。ね、右側、気になるでしょう?
『ヒグチユウコ作品集』(グラフィック社、2013年)
なお、P-BC店内には、猫雑貨のコーナーもあります。パペットが人気だそうですが、私の目は猫のおしりたちに釘付けです。それでは、今日はこの辺りで~。
リブロ パルコブックセンター吉祥寺店
(吉祥寺パルコB2F)
http://www.libro.jp/shop_list/2009/07/post-33.php
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